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NAVER分離完了、LINEヤフーが総務省に報告 残存データは6月末までに削除

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なぜ「分離」が必要だったのか

2023年10月、LINEの開発に深く関わっていた韓国企業「NAVER Cloud」がサイバー攻撃を受けた。
ウイルスに感染したのは韓国側のシステムだったが、被害はLINEヤフーの内部にまで及んだ。
漏れた個人情報は合計519,406件。LINEユーザーの情報だけでなく、取引先や従業員の情報も含まれていた。

なぜ韓国側の攻撃が日本側に波及したのか。
原因は、LINEヤフーとNAVERが「社員がシステムにログインするための仕組み」を共用していたことにある。
いわば、2つの会社が同じ鍵で同じドアを使っていた状態だ。
片方の鍵が盗まれれば、もう片方のドアも開いてしまう——構造そのものに問題があった。

国が動いたのは2024年のことだ。
総務省はLINEヤフーに対し、同年3月と4月の2度にわたって行政指導を出した。
内容は異例の強さで、「NAVERへの依存をやめよ」と明確に求めるものだった。
この指導が引き金となり、当初より前倒しでシステム分離の計画が一気に加速した。

150億円かけて何を切り離したか

行政指導から約2年。LINEヤフーは2024年度の1年間だけで約150億円を投じ、2026年3月末に「分離完了」を宣言した。同社が総務省に提出した報告書に基づく数字だ。

その費用の大部分は、あの「共通の鍵」を取り換えるためのシステム入れ替えと国内移管に充てられた。監視体制の整備費用もここに含まれる。

漏洩の原因だった共有システムを解消

今回の分離の核心は、あの「共通の鍵」を完全に取り換えることだった。LINEヤフーはNAVERとのネットワーク接続を物理的に遮断し、自社専用のログイン基盤に切り替えた。国内外の子会社も含めた全システムが対象で、2026年3月末時点で分離率は100%に達した。

LINEのトーク履歴や送受信した画像については、すでに国内サーバーへの移転を完了している。「自分のデータは今どこにあるのか」という問いに対し、会社側は「日本国内」と答えられる状態になった。

不正アクセスを見張る体制を国内に整備

つながりを断ち切った後、次の課題は「もし次に侵入されたとき、すぐに気づけるか」だ。LINEヤフーは2024年10月、日本国内に専用の監視拠点「SOC(Security Operation Center)」を新設し、24時間365日の体制を構築した。それまでは不審な通信の監視に韓国側のシステムを経由する部分があったが、今後は国内だけで完結する。異常を検知してから対応に動くまでの判断が、日本のチームだけで即座に下せるようになった。

全社員に対しては本人確認を2回行う仕組みの利用を義務化し、業務を委託している外部の企業についても審査を必須とした。

技術の面では、ひとまず「終わった」と言える段階に来た。

LINEのデータは安全になったのか

システムは切り離した、データは国内に移した——では今のLINEは「安全」なのか。
ただ、その問いには2つの但し書きが伴う。

6月末まで残るデータがある

分離が完了したといっても、移行の過程で旧システム内に残ってしまったデータがまだある。

LINEヤフーによれば、残存するのは主に取引先や業務委託先に関する情報で、個人ユーザーのトーク履歴や画像データは移転済みだとしている。

量は公表されていないが、同社は2026年6月末までの完全削除を総務省に約束している。

今回の報告は「終わった」という宣言であると同時に、「6月末まで作業が続く」というスケジュールの提示でもある。

技術は離れたが会社は繋がっている

データの残存はいつか終わる。だが、会社の所有構造は別の話だ。

LINEヤフーの親会社は「Aホールディングス」という会社だ。
そのAホールディングスの株を、ソフトバンクとNAVERがほぼ50%ずつ持っている——今もそのままだ。
総務省は2024年の行政指導で、システム分離と並んで「NAVERとの資本関係の見直し」を明確に求めていた。

ソフトバンクはNAVER側の持ち株を買い取る方向で協議を進めてきたとされる。
ただしNAVERにとって、LINEは韓国国内でも広く使われるサービスであり、その運営企業の株を手放すことには政治的・経営的な抵抗が大きいと報じられてきた。
加えて、50%規模の株式取得は価格交渉が難航しやすく、現時点で具体的な合意には至っていない。

技術は独立、経営はまだNAVERと共有

LINEのシステムはNAVERから独立した。
だがLINEヤフーという会社は、今もNAVERと共同で所有されている。
技術の鍵は別々になった——経営の鍵は、まだ同じ束についたままだ。

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