居酒屋のテーブルにQRコードが置いてある。
お客さんがスマホで読み取ると、LINEが開いて注文できる。
会計もそのまま、LINEで完結する。
美容サロンでは別の光景がある。
施術が終わったお客さんに「次回の予約はLINEからどうぞ」と伝える。
お客さんが予約を入れると、スタッフ側の画面ではカルテが自動で更新されている。
次の来店時に「前回はカラーでしたよね」と始められるのは、その記録があるからだ。
これが「LINEレストランプラス」と「LINEビューティープラス」が実現する姿だ。
LINEヤフーが2026年6月に本格展開を始めたこれらのサービスは、注文・決済・予約・カルテ管理・常連客へのメッセージ送信まで、LINEアプリの中で動く。
今まで飲食店では、予約の受付はホットペッパー、注文はレジ、常連客への連絡は電話やDM、と別々のシステムを使い分けるのが当たり前だった。
それが一本化される。
店側が複数のシステムを行き来する手間が、LINEというひとつの場所にまとまる。
このサービスの導入を支援しているのが、株式会社クラブネッツだ。
同社は「DO!DX!(ドゥディーエックス)」というブランドで、飲食・美容の個店向けにLINE活用の仕組みを提供している。
DXとは「デジタル変革(Digital Transformation)」の略で、ここでは「紙や電話でやっていた店の作業をスマホやデータで置き換える」くらいの意味合いだ。
重要なのは、お客さんに新しいアプリを入れてもらう必要がない点だ。
LINEはすでに国内で1億人以上が使い、60代でも91.1%が日常的に利用している(総務省、2024年)。
「店のLINEアカウントを友だち追加してください」——その一言だけで、お客さんは使い始められる。
ただ、便利そうに見えても「こういうのはどうせ高いんでしょ」という疑問が浮かぶのは自然だ。
なぜ「実質0円」が可能なのか
「無料」と聞けば、誰でも疑う。
モニターにされるのか、後から何か売りつけられるのか——。
答えは単純だ。
2社がそれぞれ別の事情で、費用を肩代わりしているからだ。
LINEヤフーは、今年から本格展開を始めたサービスを一刻も早く広めたい。
そのため「先行予約キャンペーン」として、初年度のシステム利用料を無料にするという先行投資を行っている。
これにクラブネッツが「デビュー応援特典」を上乗せする(クラブネッツ公式発表)。
ショップカード100枚を無償で制作(デザインは10パターンから選べる)し、さらに1,000円分のデジタルギフトが当たる集客キャンペーンを、店側の費用負担なしで実施できる。
システム費用はLINEヤフーが、集客ツールはクラブネッツが、それぞれ自社の販促費として引き受けている。
LINEヤフーにとっては新サービスを早く普及させるための投資、クラブネッツにとっては新規顧客を獲得するための広告費だ。
2社の思惑が重なった結果が、店にとっての「実質0円」に見えているだけであり、モニターとは無関係だ。
ただし、「実質0円」は初年度の話だ。
2年目以降はLINEヤフーの通常月額料金が発生する。
金額はプランや利用状況によって異なるため、申込前にクラブネッツの担当者に確認しておきたい。
飲食・美容で特典が違う
特典の内容は、業種によって分かれている。
クラブネッツは飲食店向けを「レストランコース」、美容サロン向けを「ビューティーコース」と名付け、それぞれの業種の実情に合わせた設計にしている。
飲食店:注意点は現地調査費
飲食店は初年度の月額料金がゼロになる。
ひとつだけ注意が必要だ。店内機器の設置確認(現地調査)が必要な場合、その費用が別途発生することがある。
どのような店舗で発生するか、いくら程度かは状況によって異なる。申込前に担当者へ見積もりを依頼しておきたい。
美容サロン:75%オフ、いくらになるか
美容サロンは「0円」ではなく「75%オフ」だ。
完全無料にはならないが、通常価格の4分の1で使えることになる。
気になるのは「75%オフの元値は何円か」という点だろう。
通常の月額料金はプランや店舗規模によって異なり、クラブネッツへの問い合わせ時に案内される。
「75%オフ」がどれくらい得なのかは、その数字を聞いてから判断してほしい。
対象の機能は、予約受付・施術の記録(カルテ管理)・来店後のフォローメッセージだ。
美容サロンならではの施術記録も、お客さんとのLINEのやりとりとあわせて一元管理できる。
申込方法と期限
申込はクラブネッツのDO!DX!窓口を通じて行う。
飲食・美容それぞれに担当者が付き、見積もりの提示や現地調査の日程調整まで対応している。
「まず話だけ聞きたい」という段階での問い合わせにも対応している。
申込の受付期限は2026年8月31日(月)だ。
この日以降は初年度の優遇条件が適用されなくなる。
日程に余裕を持って問い合わせておくとよい。

