日程を決めるとき、いちばん面倒なのはどこか。
カレンダーを開いて空きを探す作業ではない。「来週でしたら○日の午前か、△日の午後が都合よく……ご確認のほどよろしくお願いいたします」と、礼儀正しい文面を一から書き上げることだ。
その作業をまるごとAIに任せるLINE Bot「即レスくん」を、ビジネス効率化ツールを手がける株式会社Emposyが2026年6月24日に公開した。
AIが調整文面を自動作成
「即レスくん」はGoogleカレンダーまたはOutlookと連携するLINEのBot(自動応答プログラム)だ。
LINEで「来週の午後に3つ候補を出して」と話しかけると、AIが自分のカレンダーの空き時間を読み取り、挨拶文と候補日時をセットにしたテキストを数秒で生成する。
出力されるのはURLではない。たとえば、こんな文面がコピーしてそのままメールやチャットに貼れる状態で届く。
平素よりお世話になっております。
日程についてご連絡いたします。以下の日程でいかがでしょうか。・6月30日(月)14:00〜15:00
・7月1日(火)10:00〜11:00
・7月2日(水)15:00〜16:00ご都合のよい日時をお知らせいただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。
使い始めるのに専用アプリのインストールは不要だ。
LINEで友だち追加するだけで、その日から使える。
基本機能は無料で試せる。送信回数の制限なく使えるプランは月額780円(税込)だ。
相手の画面には普通のメッセージとして映る。どのツールを経由したかは、文面のどこにも現れない。
なぜURLではなくテキストか
日程調整ツールの普及を阻んできたのは、機能の不足ではなかった。
「このURLから候補日時を入力してください」——そう送ることへの、ためらいだ。
部下から上司へ、担当者からクライアントへ。「ツールを使って手を抜いている」と思われないか。URLをクリックさせるのは失礼ではないか。そういう空気が、日本のビジネス現場には根強く残っている。
見知らぬURLへの警戒心も、もう一つの壁だ。
フィッシング詐欺(偽サイトへ誘導して個人情報を盗む手口)が社会問題になっている今、業務連絡に見覚えのないドメインのリンクが届いても、すんなり開く人ばかりではない。
受け取る側には、コンテキストスイッチ(別のアプリへの作業切り替え)という手間も生じる。メールを読む流れを断ち、ブラウザでURLを開き、自分のカレンダーと照合して回答を入力する——その手順が、相手への静かな負担になっている。
「即レスくん」がテキスト出力を選んだのは、こうした構造への答えだ。URLを送る必要がない。相手に説明する必要もない。ふつうのビジネスメールとして届く文面が、送る側の気まずさを消す。

