北海道発、600社・2400店舗に到達
LINEのトーク画面から、そのままポイントカードが使える——そんな仕組みが、全国の飲食店や服屋、花屋、美容室に静かに広がっている。
サービスの名前は「EDWARD(エドワード)」。LINEの中で動くデジタルのポイントカードで、専用のアプリをダウンロードする必要はない。
開発したのは、北海道に本社を置く北海道デジタル・アンド・コンサルティング株式会社だ。
2026年3月末時点で、導入企業は600社、稼働店舗は2400店舗を突破。
全国47都道府県すべてへの導入を達成した。
LINEを日常的に使っている人なら、そのままEDWARDの会員になれる。
その手軽さが、業種の壁を越えた広がりを支えている。
子供服チェーン、雑貨店、ネイルサロン、生花店——規模や業態を問わず、「既存のお客さんがLINEを持っている」場所であれば、どこでも成り立つ仕組みだ。数字は2400店舗まで積み上がった。そして、その2400のうちほぼ全員が、今も使い続けている。
継続率99%——ほぼ解約されない理由
100社がEDWARDを導入したとして、1年後に99社がまだ使い続けている。
EDWARDを運営する北海道デジタル・アンド・コンサルティングが公表している継続利用率は99%以上だ。この数字が、このサービスの本質を語っている。
注目すべきは、契約に縛りがない点だ。
最低利用期間の定めはなく、いつでも解約できる。
にもかかわらず、ほぼ誰もやめない。
公式が継続率の高さの背景として挙げるのは、3つの要素だ。
ひとつは月額5000円という価格。大手のポイントシステムと比べれば、桁が違う。
ふたつ目は、解約がいつでもできるというリスクのなさ。「試してみて、合わなければやめればいい」という入り口の低さが、導入のハードルを下げる。
そして3つ目が、導入後の伴走サポートだ。
ここが、他の2つより深く読み解く価値がある。
EDWARDのサポートは、システムの使い方を教えて終わりではない。
LINEの友だち登録をどう増やすか、どんな内容の配信を送れば来店につながるか——そこまで、電話やZoomで担当者が一緒に考える。
「使い方を教えて終わり」ではなく、売上につながるまで並走する。その体制が、月額5000円に含まれている。では、そもそもなぜ600社が、この北海道の会社に発注する決断をしたのか。
北海道の1社がなぜ全国に広がれたのか
月額5000円・レジ連携なしで始められる
レジを入れ替える必要はない。
お客さんに名前や住所を書かせる必要もない。
「仮会員機能」という仕組みがある。
個人情報の入力なしで、その場でデジタル会員証が発行される。
会員証は5秒以内に画面に表示される設計で、レジ前でもたつかない。
デジタルに詳しくない店員でも、「LINEでポイントカードが作れますよ」とひと言言えば、お客さんはその場で会員になれる。
この入りやすさが、べべの決断を後押しした。
子供服を扱う株式会社べべは、約40年にわたって紙のスタンプカードを使い続けてきた会社だ。
その40年を変え、全国72店舗でEDWARDへ切り替えた。会員の購買率が向上したと同社は報告している。
40年続いた紙のカードを変えるという決断——それが実際に起きているのは、「合わなければいつでもやめられる」という入り口があるからだ。
導入後も「伴走」が続く支援体制
初めて聞く社名の、北海道の会社に発注していいのか。
その不安を和らげる材料の一つが、LINEヤフーからの「Technology Partner」認定だ。
LINEミニアプリを扱う開発会社の中で、公式に品質を認められた会社として名前が載る。「LINEが認めた会社なら」という事実が、検討の入り口になる。
自社でスマホアプリを開発・運用していた企業でも、乗り換えが起きている。
服飾の株式会社Queenはその一例だ。専用アプリはダウンロードが必要で、更新のたびにユーザーへの案内が必要になる。EDWARDはLINEの中で動くため、その手間がない。切り替えから6ヶ月で会員数は10万人に達したと同社は報告している。
「作った自社アプリを捨ててLINEに移す」という判断をした会社が実際に出ている——それが、このサービスの実用性を示している。
600社・2400店舗、全国47都道府県への到達は、「いつでもやめられる」仕組みの上に積み上がっている。

