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札幌市、LINE「ヒグマ通知」を大幅更新 過去最多の出没受け、AI予測も導入

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通知で何が変わったか

6月17日、札幌市公式LINEのヒグマ通知がまた変わった。

2024年3月のリニューアルで、通知はすでに「市内全域への一斉送信」から「住む区を選んで受け取る」方式に切り替わっていた。
今回の更新では、小樽市・江別市・北広島市・石狩市・当別町といった近隣自治体も選択肢に加わった。
市内10区と周辺自治体の中から関心のあるエリアを選んでおくと、そのエリアの出没情報だけが届く。

通知の内容は出没の日時・場所・具体的な状況。
市街地での目撃など緊急性の高い情報は、現場確認を待たず即時配信される。
対応言語は9言語で、英語・中国語・韓国語・ベトナム語にも対応している。

この仕組みがここまで充実した背景には、出没件数の急増がある。
2025年度の札幌市内でのヒグマ出没は363件——前年度(99件)の3.7倍で、記録が残る2007年度以降で過去最多だ。

出没363件、過去最多の背景

なぜ1年で3.7倍になるのか。答えの一つは、札幌という都市の構造にある。

市の面積のうち約6割、およそ7万ヘクタールが森林だ。
195万人が暮らす街のすぐ裏がヒグマの生息域——最初からそういう地形の街なのだ。

タイミングにも特徴がある。2025年度の出没のうち、約7割が9〜11月の秋に集中した。
山のドングリなど木の実の実りが悪い年は、エサを求めたクマが人里に降りてくる。
2025年は山の実なりが不良だった——それが急増の直接の引き金とされる。

さらに見過ごせない変化がある。
2025年度の駆除数は19頭と、前年度(2頭)から急増した。
増えているのは頭数だけではない。人を恐れずに市街地に入り込む「アーバン・ベア(都市型ヒグマ)」——ゴミや農作物に慣れて人の生活圏に定着し、追い払いだけでは対応が難しいクマ——の存在が、専門家から指摘されている。
出没を「知らせる」だけでなく、もっと手前の段階から手を打たなければならない——通知の改善だけでは追いつかない現実がここにある。

事前予測から即時検知へ、対策の多層化

通知の改善と並行して、AI予測・即時検知・広域データ共有という複数の取り組みが同時に動き始めている。

AIが算出する遭遇確率

上智大学(深澤研究室)が公開した「クマ遭遇AI予測マップ」は、過去の出没記録・人口分布・地形データをAIに学習させた地図だ。
札幌市を含む19地域を対象に、1キロ四方の区画ごとにリスクを5段階で色分けして示す。

正答率は63.7%。5段階のランクをでたらめに当てれば正答率は20%になる計算だから、その3倍以上は的中させていることになる。
とはいえ、3回に1回は外れる精度でもある。「どこが危ないか」の大まかな傾向をつかむ道具として、行政や研究者が活用している段階だ。

カメラが自動で見つける実験

2026年5月22日、NTTドコモが札幌市西区山の手エリアで実証実験を開始した。
基地局に設置した監視カメラの映像をAIがリアルタイムで解析し、市街地に近づくヒグマを自動検知すると即座に通報と威嚇音の送出が行われる仕組みだ。
「人が目撃して連絡する」から「カメラが見つけて動く」——検知の主体が変わる実験だ。

市町村をまたいだ情報共有

北海道庁が運用する出没情報マップ「ひぐまっぷ」との行政間データ連携も整備され、市町村をまたいだ情報共有が可能になっている。
隣の市町村で目撃されたクマが翌日に札幌市内に現れることもある。自治体ごとに情報が分断されていては対応に遅れが出る。そのギャップを埋める仕組みだ。

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